0歳児の成長速度は速く、月齢などによる個人差も大きい時期です。成長段階を把握しておくことで、安心して我が子の成長を見守ることができ、成長に合わせた関わりを楽しめます。
0歳児を育てるときに、知っておきたい成長についてご紹介します。
目次
生後3ヶ月までの成長
生後1カ月間の新生児期は、睡眠と授乳を繰り返し、1日16時間前後眠ります。その後、徐々に起きている時間が長くなっていきますが、生後3ヶ月くらいまでは昼夜の区別はありません。
大きな音がしたときに両手を広げる「モロー反射」や、口に指を入れると吸い付く「吸てつ反射」など、原始反射が活発な時期でもあります。新生児期でも微笑んでいるような表情をすることがありますが、これは意識的に笑っているわけではありません。
生後3ヶ月頃になると、大人の微笑みに微笑みで返す微笑み返しや、母親を目で追う追視が始まります。赤ちゃんが社会性を身に付ける第一歩です。生後3ヶ月頃までは、赤ちゃんが外の世界に適応するために重要な時期。赤ちゃんのリズムに合わせながら、授乳や睡眠、排泄のお世話を行い、不快感を取り除いてあげるようにしましょう。大人への信頼感が芽生える時期でもありますので、触れ合う時間も大切です。
生後4ヶ月から6ヶ月の成長
生後4ヶ月頃になると、昼夜の区別がつき始め、夜に長く眠るようになります。また、生後5~6ヶ月頃になると離乳食が始まり、少しずつ生活リズムが整い始める時期です。この時期の成長について、詳しく見ていきましょう。
寝返り
生後5ヶ月頃になると、寝返りをするようになります。寝返りとは、仰向けの状態から身体をひねって回転し、うつ伏せの状態になることです。初めは、なかなか回転できなかったり、腕が抜けなかったりと、すぐにできるようになるわけではありません。手助けをしながら、赤ちゃんの挑戦を見守りましょう。
また、個人差が大きい成長でもありますので、周りと比べずにその子なりの成長を見守ってあげることが大切です。
離乳食の開始
生後5~6ヶ月になると、離乳食が始まります。この時期は離乳食初期と呼ばれ、形状はなめらかにすりつぶした状態で、1日1回、赤ちゃんの機嫌の良い時間帯がおすすめです。離乳食を始める月齢はあくまでも目安ですので、大人の食事に興味を持っていることや、支えがあれば座れるかなど、赤ちゃんの様子を見て始めるようにしましょう。
周囲の環境に興味を持ち始める
信頼できる大人に見守られているという安心感と、寝返りによって視界が変わることなどから、周囲の環境に興味を持ち始める時期でもあります。周囲の物に興味を持って手を伸ばしたり、手に持った物を口に入れ、形などを確認する姿が見られることもあります。
口に入れても安全なおもちゃを使用し、誤飲につながる物は赤ちゃんの近くに置かないなどの配慮が必要です。
生後7~8ヶ月の成長
生後7~8ヶ月になると、ずりばいやおすわりが始まります。移動範囲が広がったり、目線が変わることで、周囲への興味がさらに広がる時期です。
この時期の成長を詳しく見ていきましょう。
お座りやずりばい
うつぶせの状態から、両腕の力で移動することをずりばいと呼びます。ハイハイの第一段階です。初めは後ろに下がってしまうことも多いですが、徐々に前進できるようになり、探索活動を楽しむようになります。
また、お座りができ始める時期です。支えてあげると短時間座れる状態から、徐々に一人で座れるようになります。ずりばいで行動範囲が広がったり、お座りで目線が変わることで、周囲への興味がさらに広がるでしょう。
行動範囲内に危険な物を置かない配慮や、お座りでの転倒に備えて、周りの環境を整えることが大切です。また、お座りで両手が使えるようになると、指先を使った遊びも楽しめるようになります。興味や発達に合った遊びを取り入れていきましょう。
離乳食中期へ
離乳食は舌でつぶせる固さの中期食になります。回数は1日2回、午前と午後の決まった時間にあげるようにすると、離乳食を軸とした生活リズムが整えやすいです。食品の種類を少しずつ増やしながら、いろいろな食材に触れられるようにしましょう。
初めて食べる食材は必ず少量からにしましょう。アレルギーの危険性もありますので、病院への受診が可能な時間帯がおすすめです。
人見知りが始まることも
見慣れた人と知らない人との区別がつくようになることで、人見知りが始まる場合もあります。一時的なものですので、赤ちゃんが安心できるような関わりを続けながら、見守りましょう。
また、抱っこを求めて手を伸ばす姿が見られるようになるのもこの時期です。十分に甘えを受け止めながら、ふれあい遊びや赤ちゃんとのスキンシップの時間を大切にしましょう。
生後9ヶ月から11ヶ月の成長
生後9ヶ月から11ヶ月は、ずりばいからハイハイ、つかまり立ち、つたい歩きへと運動機能の成長が目覚ましい時期です。また、言葉を理解して仕草で答えたり、簡単な単語を話し始めることも。
1歳を目前とした、この時期の成長について詳しく見ていきましょう。
運動機能の成長
ずりばいでの移動から、よつばいでの一般的なハイハイでの移動へと変化していく時期です。しかし、ハイハイの成長は個人差が大きく、なかなかハイハイをしなかったりお座りの状態で移動をしたり、ハイハイをせずにつかまり立ちを始める場合もあります。ハイハイをしなくても成長には問題ありませんが、ハイハイは腕や足の筋力や身体のバランスを身に付けるために効果的ですので、遊びの中に取り入れていくと良いでしょう。
つかまり立ちや伝い歩きが始まると、さらに活動範囲が広がり、周囲のものへの興味も広がっていきます。危険のないように見守りながら、十分に身体が動かせる環境作りを行いましょう。
また、信頼できる大人に見守られているという安心感を持つことで、外の世界に気持ちを向けるようになる時期でもあります。自由に移動しながらも、時々大人を振り返る姿も見られますので、赤ちゃんが安心できるような声かけをしてあげることも大切です。
離乳食後期へ
離乳食は歯茎でつぶせる形状の後期食へと移行します。回数は1日3回、朝、昼、晩のリズムを整えてあげましょう。お昼寝の回数も、午前と午後の1日2回に定まってきて、生活リズムが整えやすい時期でもあります。
また、食べられる食材が増え、離乳食の完了も間近。この時期に、手づかみ食べを十分にさせてあげることは、子どもの食べる意欲を育てるために効果的です。手づかみしやすい食材を用意し、手づかみ食べをたくさんさせてあげましょう。
参考サイト:厚生労働省授乳・離乳の支援ガイド 34ページ
言葉の理解と出現
名前を呼ばれると手を挙げる、「バイバイ」と言われると手を振るなど、大人が話す簡単な言葉を理解し、反応するようになる時期でもあります。「ママ」「ワンワン」など簡単な単語が出始めることも。しかし、言葉の出現は個人差が大きく、大人の話している言葉を理解していても、言葉が出ない場合もあります。周りの子どもと比べずに、その子なりのペースでの成長を見守りましょう。
言葉が理解できるようになることで、大人とのやり取りをさらに楽しむようになります。子どもの仕草や要求に答え、やり取りを十分に行うことも大切です。
まとめ
自分では何もできない新生児期から、自分で興味のあるものを見つけ探索活動を楽しんだり、仕草や簡単な言葉で人との関わりを楽しむ時期へと、0歳児は目覚ましい成長を見せてくれます。
0歳児の成長には大人の働きかけや関わりが欠かせません。そのときどきの成長を把握し、成長に合った関わりを心がけましょう。