0歳児にとって遊びとは?遊びのポイントと大人の役割

0歳児の育ちには「遊び」が欠かせません。では、遊びを通して子どものどんな部分が育ち、子どもの遊びのために大人はどんな役割を担うべきなのでしょうか?

0歳児の遊びのポイントや、0歳児の育ちと遊びの関係についてご紹介します。

0歳児の遊びのポイント

0歳児の遊びの一番のポイントは、活動自体を楽しんでいることです。子どもにとって、遊びは生活そのもの。遊びの中で、少しでも大人に強制されているという感覚を持ったり、目的を達成するための手段となってしまえば、それは遊びではなくなってしまいます。

0歳児は、見るもの、聞くもの、触れるもの全てが遊びにつながります。遊びイコールおもちゃではありません。例えば、身近にあるプラスチック容器。これをたたき合わせて音を出したり転がしたり、積み上げて崩してみることも、子どもにとっては熱中できる遊びです。ティッシュを箱から引き出したり、絵本の絵を見ずにパラパラとめくっているだけでも、子ども自身が楽しんで行っている場合は立派な遊び。

まずは、子どもが楽しんでいるかということに注目してみましょう。そして、目的を達成するための遊びではなく、発達に合った遊びが自然できる環境作りが大切です。

遊びを通しての育ち

子ども

子どもは遊びを通してさまざまなことを学び、育っていきます。具体的にどんな部分が育つのかを見ていきましょう。

自分の世界を広げる

0歳児は、自分の力の全てを使って遊びを繰り返します。その中で身近な人や物と関わり、自分の世界を広げていくのです。

また、遊んでいる最中は、常に五感を働かせています。視覚からの情報を楽しみ、自分が発生させた音を楽しみ、物の感触を楽しみながら遊びに熱中するのです。五感を使って遊ぶことで物への興味が広がり、子どもの世界は広がっていきます。

情緒を安定させる

遊びは身体だけではなく、心の発達においても重要な意味を持ちます。それと同時に、心の健康にも遊びは欠かせません。子どもは遊びの中で、「楽しい」という快感を味わい、欲求が満たされることで情緒が安定するのです。

また、遊びには不安な気持ちや思うようにいかない苛立ちを発散させるという効果もあります。

社会性を身に付ける

0歳児は、信頼できる大人に見守られているという安心感の中で、遊びの範囲が徐々に広がり、世界を広げていきます。遊びの範囲が広がると、多くの大人や友達と出会いなど、さまざまなことを経験するのです。その経験の中で、人との関わり方や遊びのルール、言葉でのやり取りも学びます。

遊びは、子どもにとって社会そのものです。

遊びの中で大人が担う役割

子どもが遊びを楽しいと感じられるために、大人は遊びの環境を作る必要があります。

環境を作るためには、まず子どもの遊びを知ろうとすることが大切です。子どもが興味を持った遊びを真似したり、一緒に遊ぶことで、子どもが夢中になる瞬間がわかります。子どもは、ときには大人の存在を忘れ、自分の世界に入り込むこともありますが、そんなときは関心を持って見守ることが大切です。

遊びの区切りに子どもは大人を振り返り、見守ってくれていることに安心感を抱いてまた遊び始めます。共感を求めておもちゃを手渡してきたり、一緒に遊んでほしいというサインを出してくることも。大人が楽しさを共感して一緒に遊んでくれているという環境は、大人への信頼感にもつながります。

また、子どもが自分で遊びを選べるように、コーナー設定を行うことも効果的です。子どもは初めから自主的に遊べるわけではありません。発達に合った遊びを大人が提案し、子ども自身が自分で選べる環境を整えてあげることで、子どもは好きな遊びを選んで意欲的に遊べるようになるのです。月齢や興味、発達に合った遊びを提案したり、一緒に遊び込みながら、楽しさを共有しましょう。

遊びを見守るときの注意点

子どもにとって、信頼できる大人が遊びを見守ってくれることは大切です。しかし、関わり方を少し間違えると、子どもにとって遊びが楽しいものではなくなってしまうことも。

例えば、子どもは興味を持った遊びを何度も繰り返します。大人から見ると、ただ同じことを繰り返しているように見えて、つい他の遊びをさせたくなってしまうものです。しかし、子どもが好きな遊びを繰り返し行うことには意味があります。

好きなことを十分に行うことで、自分なりに少しずつ遊びを発展させたり、もっとやってみたいという意欲が湧くのです。そんな子どもの遊びを大人が他の遊びに変えさせてしまえば、子どもの意欲は削がれます。

また、動きの少ない0歳児は特に、他の子どもの遊びを眺めているだけのように見えることも。大人からはそう見えたとしても、子どもにとっては他の子どもの遊びを吸収している楽しい時間かもしれません。遊びはあくまでも子どもが主体です。発達に合ったコーナー設定や遊びの提案は大切ですが、大人が遊ばせるのに熱中しすぎていないかということに注意するようにしましょう。

遊びを見守るときには、子どもの目線で。大人の目線では遊んでいないように見えても、子どもにとっては大切な遊びであることも少なくありません。遊びの環境を整え、ゆったりとした雰囲気の中で、子ども自身が遊び始めるのを待つことも大切です。

まとめ

子ども

0歳児にとって、遊びは生活であり、成長そのものです。遊びの中で身体と心が育ち、情緒が安定します。遊びを見守る大人は、子どもの目線で遊びを知ろうとすることから始めましょう。子ども自身が遊びたくなるような環境作りや発達に合った遊びの提案を行い、大人が子どもの遊びのよき理解者になることが大切です。

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス
現在、都内22の認可保育園と認定こども園を運営する「社会福祉法人東京児童協会」と、企業主導型保育園や学童保育の運営、海外への保育事業を展開する「株式会社ONE ROOF」が主体となり、新しい子育て社会を実現していくネットワークです。