2021年12月、東京都台東区にある「忍岡こども園」(東京児童協会)で、オリンピック選手・亀山耕平選手から直接体操を教えてもらう体験が開催されました。
亀山選手から体操を学ぶ!
これは、同園を含む都内21園の運営を行う「東京児童協会」が進める「スポーツプロジェクト」の一環で「スポーツを介して幼少期に本物を体験する」というコンセプトの基、行われているもの。
いよいよ、亀山選手から自己紹介でプログラムがスタート。体操でオリンピックという大きな舞台に立ったプロならではの指導を受けられるまたとない機会に、子どもたちは目を輝かせます。
体操プログラムは、手を動かす動きから、徐々に体全体を動かす動き、マット運動など、たくさんのプログラムを行いました。
5歳になる子どもたちが楽しめるようにと、亀山選手が考案したプログラムは、子どもたちが大好きな「鬼ごっこ」も取り入れられ、小さなスペースで逃げ回る「鬼役」の亀山選手や先生を追いかける「遊び」の要素もたくさんあって、子どもたちは夢中に。
ちょっとした工夫で、こどもたちが思いっきり体を動かす場面を大人たちが作ってあげることが大事だそうです。
マット運動では、仰向けに寝転がって足をピンと伸ばしたり、前回りをしたり。前回りでは、最後にその場でジャンプしてポーズを決める工程など「競技らしさ」も体験。
徐々に難易度を上げる過程は、子どもたちも「できた!」の繰り返しにもつながり、楽しく体操に取り組めるポイントです。
個人で楽しめるプログラムのほかにも、2人1組になって、1人がもう1人の足首を持つ手押し車のような体操も行いました。
また、実際亀山選手や他の体操選手も行っているという、逆立ちの練習にも挑戦しました! こうした基本的な体操が大事だそう。ピンと伸びた姿勢が美しい亀山選手のお手本に続けと、子どもたちは前のめりで取り組みます。
亀山選手のサポートで逆立ちができた子どもたちは、うれしさはもちろんたくさんの成功体験を積んで、生き生きとした表情に。
開脚しながら倒立をしたり、倒立したまま片手で支えたり、超人的な「ホンモノの技」を披露してくれると、子どもたちから歓声があがります。
体操は、リズムやバランスなど、状況に合わせて体の動きや力加減を調整する能力を育む複合競技だと語る亀山選手。こうした多様な動きを行うことで、体操はもちろん、サッカーや陸上、水泳など、さまざまな競技につながるきっかけになるとも言います。
また体操は、他の競技に比べて非常に技の多い競技。だからこそ、できることからスタートして、多くの成功体験を積めるのも大きな魅力。
休憩をはさみながら、目一杯体操を楽しんだスポーツプロジェクトは約1時間で終了。楽しかったこと、できたこと、できなかったこと、初めて挑戦したことなど、たくさんの貴重な体験に、子どもたちも大満足の体験となりました。
亀山選手は、体操を通じて「できなかった」という劣等感を払拭できれば指導者冥利につきると語ります。また、接する機会が多いお父さんお母さんからの子どもたちへの声掛けは、子ども自身が前を向いて自分の意思で進むためにはとても大切だと話してくれました。
ちなみにオリンピック出場は、ひと言で表すと「世界平和」につながる不思議な空間だったそう。かつて自身が経験した否定的な言葉を投げかける人は皆無で、むしろオリンピック出場という舞台に立つ人たちは、だれもがお互いをリスペクトするようなプラスのオーラが渦巻く空間だったと。つらかった過去を一瞬にして吹き飛ばすパワーを感じ、またワクワクする自分を思い出させてくれた場所……そんなオリンピックの舞台だと亀山選手は語ってくれました。
また「このような企画がある保育園に自分も入りたかったです」とも。
スポーツプロジェクトの取り組みは、「ホンモノ」を目の前で見たり、実際に体験したり、指南してもらえたりと、子どもたちにとってかけがえのない貴重な体験をさせてあげられる良い機会ですね。