
「2歳の子がご飯を食べてくれずどうすれば良いかわからない」
「栄養が偏っても大丈夫なのか不安」
「ご飯を食べない2歳児の子どもにイライラしてしまう」
など、2歳頃のお子さまの食事に悩んでいる方は多いでしょう。
2歳頃は、成長過程として「こうしたい」「これはイヤ」という気持ちを主張するようになる時期です。しかし、成長過程であることは理解していても、やはり食べない状況が続くと不安になったりイライラしたりしますよね。
そこで今回は、保育現場を詳しく知る当法人の知見をもとに、2歳児がご飯を食べなくなる原因や、家庭で取り組める対策法について解説します。また、避けた方が良い対応方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
2歳児がご飯を食べない原因
2歳児がご飯を食べない原因として、以下の理由が挙げられます。
- 好きなものが食べたい・嫌いなものを食べたくない
- 食べにくい・飲み込みにくい形状をしている
- 体調が悪く飲み込みにくい・食欲がない
- 食べること以外のものに興味が移ってしまっている
- なにかイヤなことがあり食べることもイヤになってしまった
- お腹が空いていない
- お菓子や甘いものを食べてしまう
参照:令和4年度厚生労働省母子保健指導者養成研修(スライドNo.11参照)
2歳児がご飯を食べない原因は、子どもによってさまざまです。偶然そのタイミングに食べたくない理由がある場合もあれば、飲み込みにくい・食欲がないなど体調面に問題がある場合もあります。まだまだ言葉で自分の気持ちや状況を説明できないため、「食べるのを嫌がる」という主張をしている状態です。
過度に不安になる必要はありません。しかし、体調に問題があるケースもあるので、様子がいつもと異なる、元気がないなど、気になることがある場合はかかりつけの小児科で相談してみましょう。
2歳児がご飯を食べないときどうする?9つの対処法
2歳児がご飯を食べないときは、以下の対処法を試してみましょう。さまざまな角度から観察してみることで、原因がわかり、ご飯を食べてくれることがあります。
ただし、ここで紹介しているすべての対処法を試してもご飯を食べない場合もあります。手を尽くしても難しいときは、小児科や定期健診時の保健師面談などで相談してみるのもおすすめです。
お皿に少量ずつ乗せて完食の成功体験を積む
2歳児がご飯を食べないときは、お皿に少量ずつ乗せて「全部食べられた!」という、成功体験を積ませてあげるのもおすすめです。
少ない量でも全部食べられたことが自信につながり、食べることに対するハードルが下がります。まだ食べられそうなときは、「おかわり」を促して量を増やすことにチャレンジしてみると良いでしょう。
大きさや味付けを変えて食べやすくする
2歳児は、食べ物の大きさや味が原因でご飯を食べないこともあるので、大きさや味付けを変えてみるのも対処法の一つです。
大きすぎて食べにくい、味付けが好みでないなどの理由で食べない場合は、この方法で食べてくれることがあります。また、野菜を型抜きでくりぬいたり、おにぎりを星形にしてみたりと、形を変えてみるのもおすすめです。
食べ物やお友達の人形になりきってアテレコする
2歳児がご飯を食べないときは、食べ物やお友達の人形になりきってアテレコしてみましょう。
「〇〇くんと一緒に食べたいなー」
「〇○ちゃんに食べて欲しいなー」
「ぼくと一緒に食べよう!」
など、食べてみたくなるような声かけが大切です。お子さまが好きなキャラクターのぬいぐるみを活用して、声かけをしてみるのも良いでしょう。
大人と一緒に楽しく食べる
2歳児がご飯を食べない原因の一つに、自分の食事が大人と一緒ではないことを嫌がるケースもあります。
また、食事の時間が大人と異なっていると、自分だけが食べなければならないと感じる場合もあるため、一緒に食べてみるのもおすすめです。大人と同じメニューを薄味で用意して、「食べさせ合いっこ」をしてみるのも良いですね。
絵本で食べ物に対する興味を惹く
絵本で食べ物に対する興味を惹くのも、2歳児がご飯を食べないときにできる対処法の一つです。食べることに興味関心がない場合、食事よりも楽しいことに意識が向きやすくなります。
そこで、食べ物に関する絵本で興味を惹き、「自分も食べてみたい」と感じるような状況をつくってみましょう。絵本のキャラクターにご飯を食べさせる「飛び出し絵本」や、「しかけ絵本」がおすすめです。
テレビやおもちゃなどに目が行かない環境をつくる
2歳児がご飯を食べないときは、テレビやおもちゃなどに目が行かない環境をつくり、食事に集中させてあげましょう。
テレビやおもちゃに気を取られると、食事よりもそちらを優先したい気持ちになり、ご飯を食べない原因になります。ご飯を食べる時間は、遊びと切り離しておくことが大切です。
お昼寝のタイミングを調節する
お昼寝のタイミングを調節して、食事中に眠くなるタイミングが被らないようにしてあげるのもポイントです。とくに、昼食はお昼寝の時間に近いタイミングのため、食事中に眠くなることがあります。
また、夕食の場合は昼寝が遅くて夕食の時間帯に覚醒できず、寝起きで機嫌が悪いというケースも考えられます。昼食を少し早めてみたり、昼寝は1~2時間程度にしたりして、食事に響かないタイミングを探ってみましょう。
体を動かす遊びでお腹を空かせてみる
2歳児がご飯を食べないときは、体を動かす遊びでお腹を空かせた状態で、食事を促してみるのも効果的です。
単純にお腹が空いていないことが理由でご飯を食べない場合もあるため、まずはお腹を空かせてあげましょう。室内でもできる体を動かす遊びなら、雨の日や真夏・真冬でも、積極的に体力を使ってお腹を空かせられます。
2歳児におすすめの運動遊びについては、以下の記事で紹介していますので、こちらをぜひ参考にしてください。
関連記事:2歳児向け運動遊び12選|ゲーム形式・室内でできるアイデアと注意点を紹介
お菓子の量を減らし時間を決めておく
2歳児の中には、ご飯は食べられなくてもお菓子なら食べられるという子もいます。そのような場合、お菓子で満腹になっていて、ご飯が食べられないのかもしれません。
お菓子の量を減らしてみたり、おやつタイムを食事に影響が出ない時間に設定したりして、量と時間をコントロールしてみましょう。
関連記事:2歳児の育て方?イヤイヤ期は「選択させる」で乗り切ろう!
さまざまな角度からアプローチすることは大切ですが、子どもが食べることや食卓につくことを嫌がる原因になるような対応は避けたいですね。
次項では、2歳児がご飯を食べないときに、避けた方が良い対応方法とはどのような接し方なのか、具体的に解説します。
2歳児がご飯を食べないとき避けた方が良い対応について
2歳児がご飯を食べないとき、以下のような対応は避けた方が良いでしょう。
- 無理に食べさせる
- 同年代の他の子や兄弟・姉妹と比べる
- 動画を見たりおもちゃで遊んだりしながら食べさせる
それぞれ、具体的にどのような理由で避けた方が良いのか、これらの対応をすることでどのような影響が懸念されるのかを解説します。
無理に食べさせる
2歳児がご飯を食べないときでも、無理に食べさせるのは避けましょう。食べることに苦手意識をもってしまう可能性があり、食卓につくことそのものを拒否する原因にもなりかねません。
また、無理に口に入れるとうまく飲み込めず、窒息する恐れがあるため大変危険です。多少食べられない時間が続いても、本人が元気に過ごしていれば良いと落ち着いて対応しましょう。
同年代の他の子や兄弟・姉妹と比べる
2歳児がご飯を食べないとき、同年代の他の子や兄弟・姉妹と比べるような発言をしないように注意しましょう。つい食べられる子と比べてしまいがちですが、比較する言葉は子どもの自尊心を傷つけます。
自分自身を否定された気持ちになる可能性があるので、「ご飯のときにちゃんと座れたね」「1つ食べられたね!」などプラスの声かけを意識しましょう。食べられなくても、座れたことやチャレンジしたことを褒めてあげることがポイントです。
動画を見たりおもちゃで遊んだりしながら食べさせる
2歳児がご飯を食べないとき、動画を見たりおもちゃで遊んだりしながら食べさせるのもおすすめできません。
気がそれて食事に集中できなくなる原因になるうえ、食べるよりも遊びたいという気持ちになって、さらに食べなくなる可能性もあります。
また、食事に集中できないまま時間をかけて食べることから、食事時間が長くなるほど満腹になって、食事量が減る要因にもなるでしょう。
関連記事:2歳児の成長は生活習慣の自立が鍵!意欲を高めるサポートをしよう
色々なアプローチで子どもの食への興味を引き出そう!
2歳児は成長の過程で、自分のしたいこと、したくないことを明確に意思表示できるようになる時期です。子どもがご飯を食べないと、不安になる方も多いと思います。
しかし、必要以上に不安になる必要はありません。食べない背景に風邪などで飲み込みにくい、体がつらいなどの症状がないかをチェックしておけば、あとはお腹が空けば自然に食べたくなることもあります。
一方で、長期的に極端な偏食傾向が見られる、極端に食べない時間が丸一日続くなど、体調への影響が心配なときは、一度かかりつけの小児科や定期健診などで相談してみると良いでしょう。