東京児童協会運営の「新宿三つの木保育園」(以下、三つの木保育園)と、「神田川ほとりに花咲く保育園」(以下、花咲く保育園)による、他園交流イベントが開催されました。今回はコロナ禍とあって、オンラインで実施、カブトムシをテーマにした交流会となりました。
地元交流から始まった、心温まるイベントの誕生
もともと近隣住民との交流が盛んだった「三つの木保育園」。さまざまな交流があるなかで、カブトムシをたくさん育てている人から、子どもたちにと、カブトムシの幼虫をプレゼントしてもらい、園内でカブトムシを飼うことに。
その後、カブトムシの幼虫を「花咲く保育園」の子どもたちにプレゼントしたところ、後日感謝のお手紙が届きました。心のこもったステキなお手紙に、「新宿三つの木保育園」の子どもたちは感動!
うれしい届け物に、「花咲く保育園」のみんなに会いたい!と「三つの木保育園」の子どもたち。ですが、コロナ禍で直接会って交流するのは、難しい状況……。そこでコロナ禍でもできる交流方法を、子どもたちや保育士、園長を交えて相談。こうして実施されたのが、他園とのオンライン交流でした。
初のオンラインでの他園交流の開催
これまでにもオンライン交流は行っていたものの、画面越しに子どもたちがいる状況は初の試み。これには子どもたちも大喜び。
この日のために、オンラインという環境でできることを、1週間前からみんなで相談しながら準備を進めてきました。全員で話すことはできないなかで、発表したい子どもが一人ひとり順番にカブトムシに関する質問をすることを決め、各自質問シートを用意して準備万端です。
まずはこの日のファシリテーター役の町田先生から、画面越しにお手紙のお礼が伝えられると、子どもたちからも自然と「ありがとう!」の大合唱。しっかり感謝の気持ちを伝えられました。
続いて「三つの木保育園」の子どもたちが、少し緊張しながらもPCの前に座り、事前に用意していた質問を投げかけます。
「カブトムシは何を食べるでしょうか?」という質問では、「ゼリー!」との回答に、「正解!」とうれしそうにジェスチャー付きで応える子どもたち。
緊張もほぐれた子どもたちの続く質問は、「カブトムシの脚は何本でしょうか?」。画面の向こうから、「10本?」「4本?」「6本?」と、想像力を働かせた回答が聞こえます。
実際にカブトムシを園で飼育していても、案外気づかないことも多いもの。6本脚が正解だと知ることで、今後育てるときにはいつもとは違った見方ができるかもしれませんね! ほかにも「幼虫はおしっこやうんちをするでしょうか?」といったユニークな問いかけも。
続いて町田先生から、世界で一番小さいカブトムシと大きなカブトムシを教えてもらい、一同びっくり! さらに、町田先生が事前に図書館から借りていた絵本から一部抜粋してカブトムシの一生を教えてくれる場面も。
「夏になるとカブトムシは死んじゃうけど、新しく産み落とされた卵からまた幼虫が生まれて、やがてカブトムシに変身します。だから今度は卵から幼虫が出てくるのを楽しみにしようね」。
カブトムシを飼育していると、いずれ天国に行ってしまう状況に必ず直面します。ですが、悲しい気持ちもカブトムシの一生を知ることで、安心する子どももいるはず。そんな思いで伝えられた町田先生の言葉は、子どもたちの心にもきっと届いたことでしょう。
最後は、2歳児クラスから「カタツムリはニンジンを食べたら何色のうんちをする?」という質問。すぐさま「オレンジ!」と反応するみんな。実際に画面越しにオレンジ色のうんちを見せてもらうシーンもあり、オンラインながら和気あいあいと進行。
こうして楽しい時間を惜しむように「バイバ〜イ!」と元気よく手を振りながら最後の挨拶。「もっとやりた〜い!」と、子どもたちからも大好評で、地元交流から始まった他園とのオンライン交流は有意義な時間になりました。
「ステキな手紙をくれたのが、あの子たちなんだ!と、子どもたちも感じてくれていると思います。画面を通してですが、顔を見たり、直接話せる機会はとても良かったと思っています」と話してくれた町田先生。
地域交流から始まり、子どもたちの「会いたい!」の一言で実現した交流会は、コロナ禍であっても、思い出に残る濃密な時間になりました。