1歳児は感覚や情緒、身体能力が著しく発達する時期です。この時期はおもちゃで遊ぶことが必要な能力を伸ばしてくれます。そこで今回はオススメのおもちゃについて、概要や楽しみ方、注意点をしていきます。
目次
1歳の赤ちゃんにとってのおもちゃとは?
大人にとっては当たり前のことが、1歳児にとっては初めてのことです。例えば、衣服の着脱は、つまむ、伸ばす、通すなどの複数の動作を組み合わせて行っていますが、1歳児は「つまむ」ということがどのような行為なのかを知りません。
まずは、例えばティッシュを引き出すという行為を繰り返すことで「つまむ」ことを感覚的に覚えていきます。同様に、伸ばす、通すなども身の回りのものやおもちゃで繰り返し経験することで感覚を獲得します。
他にもおもちゃを使って向上する能力には、身体を動かすことによる身体能力、色や形を認識・表現する力、集中力などがあります。
また目から取り入れた情報をもとに実際の行為をするという、発達用語では「手と目の協応」と呼ばれる能力も伸ばせます。この協応は転がってきたボールを目でとらえて蹴り返す、といった行動にも使われるもので、見ることと動くことを連動させる大切な能力です。
こうした能力を伸ばすのに効果的な方法がおもちゃを利用することです。今回は、各能力を養うのにオススメのおもちゃについてご紹介します。
感性を養うおもちゃ
はじめに感覚や感性を養うおもちゃをご紹介します。色や形、音の違いを認識し、表現することの楽しさも覚えられるおもちゃです。
重ねカップ
色とりどりの小さいカップから大きいカップまでが重なったものです。モノの大小や色を知るのに役立ちます。子どもはひっくり返したり、重ねて積み上げたり、並べたりして遊びます。
ままごとの道具として使うこともできるでしょう。口にくわえることもあるので、衛生的に保つことを心がけましょう。
大型ブロック
通常のブロックの数倍大きい、飲み込む危険のない大きいサイズのブロックです。はめる・つなげる仕組み、色を学びます。
数を組み合わせることで、見立て遊びに使うこともできるでしょう。遊ぶ時は投げたり、口に入れたりしないように教えます。
楽器遊び
マラカスやタンバリン、鈴など、振ったり叩いたりと簡単な動作で音が出るおもちゃです。持ちながら身体を動かすと音を出せることを学びます。
表現することの楽しさを知るきっかけにもなるでしょう。あくまでも身体を動かして音を出す道具ですので、モノを叩かないように注意しましょう。
こうした色や形が違うおもちゃを使って遊ぶことにより、モノの識別ができるようになり、表現することへの興味も育ちます。それでは身体能力の向上にはどのようなおもちゃがオススメなのでしょうか。
身体能力を養うおもちゃ
身体の各部位を自在に動かすことを覚えるのも1歳児にとって重要です。手指などのパーツや身体全体を使う訓練に適切なおもちゃをご紹介します。
ふた回し
ふたと本体からなる筒状の容器のおもちゃです。回し開けることにより、手首の回転を促します。
初めて渡すときには向き合って、本体を持ってふたを外す、指で回してはめたり外したりすることを教えてあげましょう。集中力も養われます。
落とし(キャップ、コイン、おはじき、カード、ビー玉など)
バケツなどの容器に穴が開いたものと落とす素材の組み合わせで、手作りもできるおもちゃです。素材を指でつまみ、握って穴へ落としていきます。落としたものが発する音を楽しむ子どももいるでしょう。
全て落とし切った後はふたを開けて移し替え、またふたを閉じます。落とす素材は飲み込まないように十分に注意をして、数を把握するようにしましょう。
カタカタ
車輪のついたおもちゃにひもが結ばれているカタカタは、引っ張り歩きながら全身を使います。探索活動をしながら、おもちゃの動きも楽しめます。夢中になって人やモノに衝突しないように注意しておきましょう。
こうしたおもちゃを利用して手指など身体のパーツや全身で繰り返し同じ動作をすることにより、身体を制御することを覚えていきます。次に、集中力を養うのに適したおもちゃを紹介します。
集中力を養うおもちゃ
初歩的な感覚や動作を覚えた1歳児は、集中力も養っていきたいところです。一人でじっくりと遊べるおもちゃをご紹介します。
ひも通し
大き目の木製ビーズや穴の開いたフェルトなどを毛糸のような太い糸に通していく遊びです。小さな穴をねらって糸を通すので集中力が養われます。
ビーズやフェルトの形や色が違っていると、より長く興味を持って遊んでいられるでしょう。初めての時には、片手に糸を持ち、もう片手でビーズやフェルトを通すところを見せてあげます。小さなパーツを口に入れないように注意しましょう。
リングタワー
垂直の棒に下から順番に大きな輪から小さい輪まで重ねたおもちゃです。棒に通すという動作に加えて、色や大きさの違いという要素もあるので長い時間一人で遊んでいられます。口に含むこともあるので、衛生的に保つようにしましょう。
木製観覧車
観覧車のように軸の周りをまわる輪のついたおもちゃです。輪の幅の部分に型抜かれた穴が開いており、同じ形のブロックを落として遊びます。輪が動くので上手く通すためには集中力を要するおもちゃです。本体を落とさないように、椅子に座りながら遊ぶよう促します。
このように狙った穴に糸やブロックを通すというおもちゃは集中力を養います。はじめは上手くいかないこともあるかもしれませんが、必要な時は手を貸しながら次第に一人で遊べるように教えてあげましょう。
まとめ
1歳児がおもちゃを使って伸ばすことができる能力とオススメのおもちゃをご紹介しました。大まかに発達が期待される能力とオススメのおもちゃの組み合わせを提案しましたが、幅広いおもちゃで遊ばせることで総合的に能力が向上します。はじめてのおもちゃは大人が遊び方を見せてあげて、挑戦を促してみましょう。