3歳児の理想的な睡眠時間は?睡眠不足の影響と家庭でできる改善方法5つ
「3歳児の理想的な睡眠時間はどのくらい?」
「3歳児の睡眠不足が子どもの成長にどんな影響を与えるの?」
と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、3歳児には1日10~13時間の睡眠が必要です。もしも睡眠が不足すると、成長ホルモンの分泌低下や集中力の低下を引き起こすなど、心身の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこでここでは、睡眠不足の具体的な影響や、家庭でできる改善方法を5つ解説します。官公庁の情報を基にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
3歳児の理想的な睡眠時間&平均の睡眠時間は?
厚生労働省によると、3歳児の理想的な睡眠時間は、1日10~13時間とされています。 これは、十分な睡眠が子どもの成長に関わる以下の3点で重要な役割を果たすためです。
- 成長ホルモンの分泌
幼児期は成長ホルモンが多く分泌される重要な時期です。十分な睡眠が体の成長や脳の発達を支えると言われています。
- 生活リズムの形成
規則正しい睡眠時間の確保により、体内時計が整い、健康的な生活リズムが作られやすくなります。
- 集中力や認知能力の向上
適切な睡眠は、集中力や記憶力を高めるといわれています。逆に睡眠が不足すると日中の活動に悪い影響を与えやすくなります。
なお、子どもによって最適な睡眠時間は異なります。あくまでも目安として、3歳児は10~13時間が理想とされていると認識しておくとよいでしょう。
参考サイト:健康づくりのための睡眠指針の改定について(案)|厚生労働省
睡眠不足が3歳児に与える影響
3歳児が睡眠不足になると、以下のようなリスクが高まる可能性があります。
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- 集中力や記憶力の低下
- 情緒の不安定
- 肥満のリスク
上記は、睡眠不足が脳の機能やホルモンバランスに悪影響を及ぼすことで懸念されるものです。睡眠不足で脳が十分に休息できない場合、情報の処理や記憶の定着が妨げられると言われており、その結果、集中力や記憶力が下がる可能性があります。
また情緒面では、睡眠不足によって感情のコントロールが難しくなり、イライラや不安感が増す可能性も高いでしょう。さらには、ホルモンバランスが乱れやすくなり、食欲を抑えるホルモンが減少し、肥満のリスクが高まることも考えられます。
したがって、3歳児の健康的な成長と発達をサポートするためには、しっかり寝て、睡眠不足を避けることが重要です。
参考サイト:3歳児の睡眠の実態と生活習慣との関連について
では、具体的に3歳児の頃にはどのように睡眠時間を確保すればよいのでしょうか。次の章で解説します。
3歳児の睡眠不足を確保するために家庭でできる工夫5つ
3歳児の最適な睡眠リズムを整えるためにも、以下の家庭でできる5つ工夫を参考にしてみてください。
1. 同じ時間に起きる/寝る睡眠習慣をつける
就寝・起床時間を毎日同じ時間にすることで、子どもの体内時計が整いやすくなり、質の良い睡眠がとれるようになります。日本睡眠学会専門医によると、人間は起床後、明るい光を浴びてから約14時間後より徐々に眠気を感じるように体内時計が備わっているとされています。例えば、朝7時に起きれば14時間後の21時には眠くなりやすくなるため、毎日同じ時間に起きて寝る習慣ができれば、睡眠時間を確保しやすくなるでしょう。
参考サイト:子どもの睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
2. 就寝前の「眠儀式」を取り入れる
寝る前の一連のルーティンを作ることで、子どもは「これから寝る時間だ」と認識し、スムーズに入眠しやすくなります。おすすめは、次のようなルーティンです。
- 就寝の1~2時間前にお風呂に入る
入浴で体温が上がり、その後の体温低下が眠気を誘います。熱すぎるお湯は避け、38~40℃のぬるめのお湯に浸かるとリラックス効果が高まると言われています。
- 絵本を読み聞かせる
絵本の静かな語り口調が、子どもの脳を落ち着かせるのに効果的です。
- 静かな音楽をかける、子守唄を歌う
ゆったりとしたメロディの音楽や、ママやパパ親の子守唄が安心感を与え、眠気を促します。クラシック音楽や自然音(波や風の音)を流すのも効果的です。
- 今日あった出来事を話す
子どもに「今日はどんな楽しいことがあった?」と問いかけ、ポジティブな気持ちで1日を終わらせます。ポジティブな感情は、安心感と幸福感を生みやすく、穏やかな眠りへの導きに効果的です。
- お気に入りのぬいぐるみや毛布を用意する
安心感を与えるアイテムをそばに置くことで、子どもは一人でも落ち着きやすくなります。赤ちゃんの頃から使っているものをはじめ、子ども自身が選んだお気に入りのアイテムを毎晩使うと安心感が増します。
3. 昼寝が夜の睡眠に影響しないように調整する
昼寝の時間や長さを適切に管理することで、夜の睡眠に悪影響を及ぼさないようにします。例えば、午後早い時間に1時間程度の昼寝をし、夕方以降の昼寝は避けるのが理想です。
4. 静かで暗く、快適な室温にする
睡眠環境を整えることで、子どもが深い眠りにつきやすくなります。寝室の照明を暗くし、静かな環境を作り、室温を20~22℃程度に保つのがおすすめです。就寝前1時間はテレビやスマートフォンの使用を避け、ブルーライトをカットしましょう。
5. 昼間に体を動かすor頭を使う遊びをする
日中に適度な運動や知的活動を行うことで、夜の入眠がスムーズになる可能性があります。例えば、公園での遊びに加えて、室内でのパズル、お絵かき、積み木や知育玩具を使った遊びなどの活動も取り入れると、子どもが心地よい疲労感を得られて、夜寝つきやすくなるかもしれません。
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昼寝は必要?3歳児の夜の睡眠とのバランス
3歳児は、必要に応じて1~2時間の昼寝を取るのがおすすめです。昼寝を適切に取り入れることで、3歳児の夜の睡眠を補い、トータルの睡眠時間を確保しやすくなります。
例えば、子どもの夜の寝つきが悪い場合には午前中に体を動かし、昼食後に1~2時間の昼寝を取り入れてみてはいかがでしょうか。昼寝を取り入れることで、午後も元気に活動でき、寝つきがよくなるかもしれません。ただし、夕方以降の昼寝は夜の就寝時間を遅らせる可能性があるため、避けるべきです。
とはいえ、睡眠時間には個人差もあります。3歳になると、昼寝をしない場合も増えるかもしれません。昼寝をしない場合は、夜の睡眠を10時間以上取れるようにし、睡眠が不足しないように心がけましょう。子どもの成長に合わせて昼寝と夜の睡眠のバランスを調整し、規則正しい生活を送ることが大切です。
3歳児の睡眠時間には個性もあるため焦らず向き合おう
3歳児の理想的な睡眠時間は1日10~13時間とされており、睡眠は成長ホルモンの分泌や脳の発達、集中力の向上に不可欠です。睡眠不足は集中力や記憶力の低下、情緒の不安定、肥満リスクの増加など、子どもの成長にさまざまな悪影響を及ぼします。
理想的な睡眠リズムを整えるためには、規則正しい生活習慣、眠儀式の取り入れ、昼寝の時間調整、快適な睡眠環境の整備、昼間の適度な活動などが有効です。
ただし、子どもによって適した対策は異なるので、子どもの様子をみつつ子どもに合った方法を取り入れましょう。
生活リズムを改善してもトラブルが解決しない場合は、睡眠障害が隠れている可能性も考えられます。その際は、小児科などへの相談も考えてみましょう。