「2歳児の理想の睡眠時間ってどのくらい?」
「2歳児の生活リズムを整えるにはどうすればいいの?」
そんなお悩みはありませんか?
2歳児の睡眠については、身体の成長ホルモンの分泌や、脳の発達に大きな影響を与えるため、適切な知識と実践が重要です。
そこでこの記事では、2歳児の理想的な睡眠習慣や生活リズムを整えるコツ、さらにイヤイヤ期の睡眠トラブルへの具体的な解決策をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
2歳児は約11~14時間の睡眠が理想
厚生労働省の資料によると、米国睡眠医学会の推奨する2歳児の1日あたりの理想的な睡眠時間は、約11~14時間とされています。
十分な睡眠時間を確保することで、身体の成長や脳の発達を促進し、健康的な生活リズムを整えられるでしょう。
参考サイト:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
この時期の幼児は、成長ホルモンの分泌が活発になり、脳の神経細胞が急速に発達します。
特に、ノンレム睡眠中には成長ホルモンが分泌され、身体の成長が促されると言われており、レム睡眠中には記憶の定着や脳の情報整理が行われます。
2歳児にとって理想的な睡眠時間を確保するには
夜間に10~12時間の睡眠を確保し、昼間に1~2時間の昼寝を取り入れるといった、昼寝を挟むのが効果的と言われています。
このような睡眠パターンを続けると、十分に睡眠時間を確保できるため、日中の活動において集中力が高まり、感情のコントロールもしやすくなる傾向があります。
2歳児にとって約11~14時間の睡眠時間を確保することは、健康的な発育と生活リズムの安定に直結するでしょう。
ただし、睡眠時間はあくまで個人差もあります。夜間睡眠と昼寝のバランスを考えた生活習慣を整え、その子が十分に成長できる環境を用意してみてはいかがでしょうか。
2歳児の睡眠、理想の生活リズム
日本睡眠学会によると、体内時計(概日リズム)は、規則正しい睡眠スケジュールに大きく関係していると言われています。
参考サイト:睡眠周期と生体リズム:本間研一(日本睡眠学会)
生活リズムが整うと、体内時計が安定し、睡眠ホルモンの分泌が促進されます。理想的な1日の生活リズムとして、以下のスケジュールを参考にしてみてください。
2歳児の理想の1日のスケジュール
7:00:起床。朝日を浴びて体内時計をリセット。
8:00:朝食を摂り、日中の活動に備える。
12:30~13:30:昼食後に1~2時間の昼寝(昼寝が遅くなりすぎると夜間睡眠が妨げられるため、15:00までに起きるのが理想です。)
18:30~19:00:夕食を済ませ、寝る準備を始める。
20:00~21:00:就寝。
上記のスケジュールは一例ですが、このような規則正しい生活が身に付けば、2歳児にとって理想の睡眠時間を確保できるでしょう。
2歳児がスムーズに夜寝られる5つの環境づくり
2歳児がスムーズに夜寝られるようにするためには、次の環境づくりが重要です。
- 薄暗く暖かい色合いの照明にする
- 室温20~22℃程度、湿度50~60%にする
- 安定感のある寝具を選ぶ
- 就寝前のリラックス時間を持つ
(ぬるめのお風呂に入る、絵本を読む、今日あったことを話すなど) - 起床時に日光を浴びて体内時計をリセットし、夜の自然な眠気を誘う
睡眠環境を最適化することで、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を促進し、深いノンレム睡眠が得られるようになります。これにより、成長ホルモンの分泌もスムーズに行われ、心身の発達をサポートできるでしょう。
2歳児が快適に睡眠できる環境を保護者が整えることで、睡眠サイクルが安定し、心身の健康につながりやすくなります。5つのポイントを意識し、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。
睡眠不足が子どもに与える影響とは?
睡眠不足は、記憶の定着や脳の情報整理がうまく行われない上に、身体的・精神的な発達を妨げる可能性があります。そこでここでは、睡眠不足が子どもに与える具体的な影響を紹介します。
- 成長の遅れ
- 食欲不振
- 集中力の低下
それぞれ詳しく解説します。
成長の遅れ
睡眠不足は、子どもの成長を遅らせます。睡眠が不足すると、体の発育に必要な成長ホルモンが十分に分泌されないためです。そのため、身長や体重が増えないなどの問題が起き、成長が遅れてしまう恐れがあります。
食欲不振
睡眠が不足するとと、食欲を司るホルモンのバランスが乱れ、食欲不振を引き起こす可能性があります。その結果、子どもの栄養摂取が不足し、健康状態にも悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
また、食事中に眠気を感じてしまい、しっかり食べられないケースもあるでしょう。このような状況が長期化すると、栄養不足による体重減少や免疫力の低下が見られることがあります。
集中力の低下
睡眠不足になると、集中力が下がり、学習や遊びの質を損ないかねません。睡眠中、特にレム睡眠では、脳が情報を整理し、記憶を強化するプロセスが行われます。睡眠が足りないと、このプロセスが不十分になり、注意力や集中力が下がる可能性が高いとされています。
なお、睡眠時間が短く、日常生活が満足に送れない状態は、睡眠不足症候群と呼びます。そうなる前に、眠る時間を十分に取り、子どもの健やかな成長を支える環境を作りましょう。
参考サイト:睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響(eヘルスネット)
イヤイヤ期も安心!2歳児の睡眠トラブル解決法5つ
2歳児はイヤイヤ期を迎えることもあり、子どもの睡眠に関して悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。そこで、ここではイヤイヤ期の2歳児がスムーズに眠れるようになる方法を紹介します。
- 朝日を浴びる
朝子どもが起きた際はカーテンを開けてしっかりと光を室内に取り入れることで、体内時計がリセットされ脳が目覚め、夜に自然と眠りを誘うホルモンが出やすくなると言われています。
- お昼寝のタイミングに注意する
昼寝が長すぎると、夜に寝付きにくくなるため、基本的にお昼寝は15時頃までとし、15時以降に昼寝をした場合は1時間以内に起こすようにしましょう。
- 寝室を薄暗い照明、静かな音、適切な室温に整える
寝室の環境を整えるのも2歳児の睡眠時間を確保するのに重要です。また、スマホやテレビは寝る1時間前にオフにしておきましょう。眠気を妨げる刺激的な光を避けるのがポイントです。
- 入浴など、就寝前のルーティン・入眠儀式を作る
睡眠のルーティンを作ってあげることで、子どもはスムーズに眠れるようになることがあります。例えば、お風呂のタイミングは寝る45分~1時間前にしておき、お風呂後1時間が経った頃に、寝室に連れていくことで、お風呂後に上がった体温が下がり、スムーズに眠りに誘導しやすくなります。
「まだ寝たくない!」という反発には親が感情的になるのではなく「あと5分遊んだら寝よう」「眠りたくない気持ちもわかるよ」など、冷静な対応と共感をすることで、子どもの気持ちが落ち着くのを待ちましょう。
なお、もしも睡眠に関して心配事がある場合には、必要に応じて小児科医や睡眠改善の専門家からアドバイスを受けることで、家庭ごとに適した解決策を見つけられる可能性もあります。
【関連記事】:2歳児の育て方?イヤイヤ期は「選択させる」で乗り切ろう!
2歳児の理想の睡眠時間確保は、できることからやってみる
赤ちゃんだった乳児期の0~1歳から、幼児期となった2歳児の理想的な睡眠時間は約11~14時間とされています。生活や睡眠リズムの安定が、2歳児の成長と発達に重要な役割を果たすことを押さえておきましょう。
また、2歳児の睡眠トラブルは、就寝前のルーティンや寝室環境の整備、日中の活動の見直しなどで、軽減が期待できます。保護者が家庭ごとの状況に合わせた工夫を取り入れ、少しずつ改善を重ねることで、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。