1歳児が季節の行事に参加するのは早すぎると感じるかもしれませんが、そんなことはありません。成長の著しい1歳児はさまざまな形で行事を体験することができるものです。
また、満1歳を迎える誕生日は特別な意味があります。こちらも思い出に残るように準備をしておきたいものです。そこで今回は1歳児の行事と参加の方法をご紹介します。
1歳児にとって行事とは?
1歳児であっても、季節の行事に参加することにより感覚や身体機能、情緒面の発達が期待できます。たとえ部分的な参加であっても、経験することに意味があります。具体的な季節の行事と参加の方法を見てみましょう。
春
春の行事といえば「こどもの日」。伝統的に子どもの成長を祈る行事です。身長などを測って成長の記録をつけておきましょう。
また、風になびくこいのぼりの姿を眺めるだけでも十分楽しいイベントです。兜など節句飾りがあるご家庭では、飾り付けの際に子どもに手を添えてもらうなどしてもよいでしょう。
両親に感謝の気持ちを伝える「母の日」や「父の日」も春から梅雨の時期にかけてあります。まだ意味を理解するのは難しくても、簡単な絵を描いてもらってもよいでしょう。表現をする楽しみを知るきっかけになり、1歳の時に描いた絵として記念にも残せます。
春は気候も良く、過ごしやすい日が多いので行事にも積極的に取り組めるでしょう。そしてすべてが新鮮に映る1歳児にとっては、たとえ見るだけであっても特別な経験です。何にでも参加してみましょう。続けて夏の行事をご紹介します。
夏
夏になると、七夕や花火大会、お盆などに合わせてお祭りがたくさん開催されます。
七夕であれば、飾り付けを笹にかけてみる、短冊を好きに書いてみるなど、保護者の手を借りて参加します。色とりどりの短冊と笹の若草色はカラフルで、子どもは見ているだけでも楽しいでしょう。
花火大会は大きな音がしてはじめは驚くかもしれませんが、きらきらと夜空に輝く花火を次第に気に入るようになるかもしれません。
夏の活気のあるお祭りの雰囲気は、にぎやかな環境に慣れるのにも一役買ってくれそうです。
そしてどんなに簡単なことでも、できることで参加して楽しいという気持ちをはぐくみましょう。次は秋の行事をご紹介します。
秋
秋には多くの保育施設や地域の自治会で運動会が行われます。お遊戯や赤ちゃん用の玉入れなど簡単な運動に加わることができます。普段は一人でしているダンスなどの遊びを「今日は集団の中でやってみる」程度に考えて気軽に参加しましょう。
また近年人気のハロウィンイベントではお菓子をもらうなど、人とのやり取りを経験できるチャンスです。仮装をしてたくさんの人に褒めてもらうのもよい経験になるでしょう。ただし、アレルギーや食べられないものがお菓子に含まれていることもあるので、大人はしっかりと注視しましょう。
秋も気候に恵まれる季節です。集団行動に参加をすると、自分以外の他者に気が付くなど視野が広がりますのでイベントを積極的に活用しましょう。最後に冬の行事をご紹介します。
冬
冬はイベントが盛りだくさんの季節です。クリスマスにお正月、節分など行事が目白押しです。クリスマスにはサンタクロースからのプレゼントをもらう、お正月にはおせち料理が並んだ食卓で親せきと集うなど特有の雰囲気を味わいましょう。
節分の鬼は怖いかもしれませんが、豆まきの雰囲気を眺めるだけでもよいでしょう。また保育施設によっては発表会を開催することも多いようです。簡単な遊戯や劇の一部を担うことで、周りを見渡す経験をしてみましょう。
1歳児は初めての経験を積み重ねることがなんでも成長につながります。発達に応じた、できることに参加をするという視点で大人は行事をとらえるようにしましょう。
ただし、新しい経験というのは子どもにとって楽しいものですが、疲れることでもあります。季節の行事は体調や安全に十分配慮して参加をするとよいでしょう。
1歳児のお祝い行事
赤ちゃんは大人に比べてか弱く、初めの1年を無事に過ごして1歳を迎えられたということには特別な意味があります。
伝統的には「初誕生」といって満一歳を無事に迎えられたことに感謝し、親せきなどと集います。初誕生では、一生食べ物に困らないよう餅を背負わせる「一升餅(地域によっては踏み餅)」や子どもの前にさまざまなものを置いて選ばせることで将来を占う「選び取り」をします。
現代的な祝い方としては、ケーキを食べる(ケーキの材料は離乳食に準ずる)がよくある過ごし方です。さらに写真館でプロのカメラマンに家族写真を撮影してもらうなど、思い出に残る1歳のお祝いをしましょう。
初めての誕生日は、大人にとっても子どもが生まれてきてからの1年を振り返る機会にもなります。そして本人は意味が分かっていなくても、祝われる幸せな雰囲気を経験することが大切なのです。
まとめ
1歳児でも季節行事に参加をする方法をご紹介しました。どのような形で参加をしてもよいものなので「まだ早い」とあきらめずに積極的に経験しましょう。体験することにより子どもの身体や心の発達につながります。
また、1歳児の誕生日には、無事に初めの一年を過ごせたことに感謝する意味合いがあります。伝統的であれ現代的であれ、お祝いの席を楽しく過ごし記録に残すとよいでしょう。