主な栄養源をミルクから離乳食へと移行する1歳児。与えられる食事から、自ら進んで食べるという発達を見せます。また、この時期の食事はその後の食習慣にも大きな影響を与えるものです。そこで今回は離乳食の特徴や食べ方、よくある疑問について解説します!
離乳食の量や月例ごとのポイントはこちらの記事を参考にしてください。
参考サイト:1歳児の食事は離乳食の完了期!楽しく食べる基礎を養おう
1歳児の離乳食
離乳食は赤ちゃんがミルクから食事へと、栄養摂取の方法を移行する期間に用いられる食事です。ミルクを吸うことから離乳食を与え始めると食物を噛みつぶし、飲み込む発達を見せます。また食材の量や種類がだんだんと豊富になり、献立や調理の形態も少しずつ変化します。
この時期の特徴として知っておきたいのは、固いものは食べられない、細菌への抵抗力が弱い、腎臓(塩分の排泄(はいせつ)機能)やタンパク質の消化機能が未発達、脂肪分がもたれやすい、などということです。
各種機能が未発達であるため、水分の少ない食材にはとろみをつけるなどの工夫をしつつ、段階を踏んで与えていくことが求められます。
また身体的な成長期でもあるので、バランスのよい食事も欠かせません。エネルギー源(力や体温を生み出す)、タンパク質(身体を作り上げる)、ビタミン・ミネラル源(身体の調子を整える)の3種に加えて、不足しがちな鉄分も補う食事を意識しましょう。
1歳児は味覚や食事の好みなど、その後の食生活の基礎を築く大切な時期を過ごしています。生涯の健康や生活習慣病の予防といった長期的な観点も踏まえた上で離乳食を与えましょう。
このように1歳児は身体の成長に合わせてバランスよく食べられるものを増やしていく過程として、離乳食が欠かせません。それでは1歳児の食べ方にはどのような特徴があるのでしょうか。
食べ方
1歳児は離乳食の期間を通じて食べる方法も習得します。ただし、食べさせてもらう→手づかみ食べ→スプーンなどの道具の使用、と段階を踏んで学んでいくものです。
手や周囲を食べ物で汚すこともありますが、食べる意欲を尊重してください。食べ物を「目で確かめる、つかむ、口まで運ぶ、口に入れる」という一連の動作は繰り返すことで上手にできるようになります。必要な過程と心得ましょう。
また離乳食のための食器や食具などに関しては、子どもの食べやすさに配慮をして重さと安定感があるものを選びましょう。スプーンは口のサイズに合った、小さめ・浅めの縁があるものが食べやすいです。
器は縁の角度が90度になっているとスプーンですくいやすいでしょう。素材は衛生面を考慮すると陶器がオススメです。(プラスチック製は傷が付きやすく細菌が繁殖するリスクがあります。)
食べ物および食べ方を学ぶための離乳食は、子どもが自発的に食べたい!と思えることが重要です。大人は意欲をそがないようにサポートに徹しましょう。次は離乳食のよくある疑問について解説します。
離乳食の疑問
大人は口にすることのない離乳食。初めての離乳食では、さまざまな疑問や悩みを抱えることもあるでしょう。実際に気になる離乳食の疑問についてご紹介します。
- ベビーフード
外出時などで手軽に取り入れられて、手作り離乳食の参考にもなる市販のベビーフード。便利ですが、注意点もありますので確認しておきましょう。まず、固さや大きさなど、子どもの成長に合ったものを選びます。
実際に与える前にひと口食べて確認しておくと間違いがありません。また料理名や材料が片寄らないように注意します。開封後の取り扱いについては、包装資材に記載の指示に従って衛生的に扱うように心がけましょう。
- アレルギー
アレルギーは免疫が過剰に反応して引き起こされるものですが、赤ちゃんは消化酵素の分泌が不十分であるなどの理由でアレルギー反応を起こしやすい傾向があります。
食物にはアレルギーの原因となるアレルゲンが含まれている場合がありますので、新しい食材を与える場合には少量から始めるようにして、問題がなければ徐々に増やしていくようにしましょう。
- 具合が悪くて食べられない
症状に応じますが、赤ちゃんは水分を保つ機能が未発達です。食べられない時は無理に与えることはせずに、脱水症状にならないよう水分の補給をしましょう。回復の兆しがあれば、離乳食の段階をひとつ前に戻し、量を控えめにして再開しましょう。
- 食事のマナー
食べ方の項目でも解説しましたが、1歳児は食事のマナーを教える前の段階です。まずは食事への意欲を育むことが最も重要ですから、家族で食卓を囲んで、食事が楽しいと思える環境を整えましょう。
子どもは模倣をしながら成長していくので、団らんの際に大人があいさつをする様子や食べ方を繰り返し見せるとマナーも身につきやすくなるでしょう。
まとめ
1歳児の離乳食についてご紹介しました。食事は人間にとって欠かせない生活習慣のひとつです。赤ちゃんは離乳食の期間を経て、食物から栄養を摂取できるように発達していく必要があります。
そこで大人は子どもが意欲的に自ら食べられるようサポートをします。体調やアレルギーなどを考慮しながら、子どもの成長に合わせた離乳食を与えるようにしましょう。
また食べ方に関しては興味関心を持って楽しく食べられていれば問題はありません。マナーにかなわない場合でも温かく見守りましょう。