1歳児の育て方とは?個人差があるものと認識して十分に向き合おう!

足取りがしっかりとして活動量も多くなる1歳児。いろいろなことに関心を示し、自発的に行動する姿には成長がうかがえてうれしいものです。しかしその一方で、欲求はあっても言葉にできないので、大人は育て方に悩むことも少なくないでしょう。そこで1歳児の発達の特徴や周囲とのかかわり方を踏まえた上での育て方を解説します。

1歳児の発達の特徴

与えられることがほとんどだった0歳児と比べると、1歳児は自らできることが増えていく時期です。具体的にはまず運動機能の発達が挙げられます。ハイハイから、伝い歩きを経て歩けるようになり、身の回りのものやおもちゃを使ううちに、手指を意図して動かせるようになります。

自我が芽生えると、指差しなどで意思表示をするなど身近な大人に伝えることを覚えます。そうして周囲とのコミュニケーションが取れるようになると、他者を認識するようになります。自分だけの世界から、他者との関わり合いのある世界へと広がりをみせていくのです。

それでは、1歳児は周りの人や環境をどのように捉えるものなのでしょうか。具体的な周囲との関わり方を見てみましょう。

1歳児の周りとの関わり方

1歳児は見るもの全てが新しく、何にでも関心を示します。そのため周囲のさまざまなものに興味を示し、うろうろする、とりあえずなめてみるといった行動が見られます。

また身近な大人の模倣をして感覚を養うのもこのころの特徴であり、大人との一体感を強く求めています。自我が芽生えてくるのもこの時期で、欲求を伝えるために大人と積極的にコミュニケーションを取り始めます。

しかし1歳児の当初は他者という概念はありません。つまり他者の感情を考えたり、環境の危険を察知したりということはできないという特徴もあるのです。こうしたことは1歳児の成長段階で認識していくもので、自分以外の周りの人や環境と関わりながら学んでいくのです。

このように、とにかくいろいろなことに興味を示し、触れてみることを通じて周りとのかかわり方を模索しているのが1歳児です。それでは、大人はどのように接して、1歳児を育てればよいのでしょうか。

1歳児の育て方

1歳児はなんにでも興味や関心を示し、身近な大人に反応やコミュニケーションを求めます。そうした際、大人はまず「共感」しましょう。

要求に耳を傾け、よく聞いて望むことを望む通りにします。これは子どもが、肯定的に受けとめられることにより、愛情を感じ、大人を信頼するようになるからです。

また子どもは、ふれあいの心地よさや、抱かれたぬくもり、いたわってもらった優しさ、温かいほほえみといった体験とそこから得られる満足によっても安心を感じます。人から受けとめられること、愛されることが無ければ、他者を受けとめ関わることもできないものですから、精一杯の愛情を注ぎましょう。

泣いている子ども

自我の芽生えとともに、注意を聞かなくなることもあります。そのような際もいったんは子供の気持ちに理解を示します。

その上で「なぜダメなのか、やってはいけないのか」という理由を分かりやすく具体的に説明します。ポイントは納得させることです。たとえ1歳児であっても、人間として扱う、相手を尊重するという視点で関わりましょう。

そして新しいことやそれまで難しかったことができたときには、しっかりと褒めます。ただし、できなかったからといって怒りや落胆は必要ありません。食事や排せつ、あそびなど、できることの範囲や幅は個人差が大きいものです。いつかはできること、という気持ちで温かく見守りましょう。

注意点

1歳児はぐんぐん身体能力があがり、行動範囲も広がります。遊ぶための安全な環境をつくり、常に注意を払うことは大人の役割です。

またぐずったり、かんしゃくを起こしたりすることが多くあります。これは自分の欲求を上手く伝える術がないからです。叱ったり怒ったりするよりも、「何がしたかったの?」と、なだめながら子供の気持を言葉で代弁してあげましょう。

噛みつきの意味と対応

ほかの子どもと遊ぶようになると噛みつき行為などをする子どもがいますが、この年齢ではコミュニケーションのひとつと捉えられます。

たとえば、体調が悪い、何かのストレスがある、要求が伝わらない、自傷行為、など伝えたいことはさまざまです。そのため噛みつき行為があった際はまず、子どもに共感し欲求を受け止めます。

そのうえで、噛みつかれた相手が痛い思いをしていることを伝えれば、いけないことをしたということを納得しやすくなります。他者を理解するきっかけにもなることですから、保護者は成長の一段階と捉えて深刻になりすぎないようにしましょう。

1歳児は身体の発達だけでなく、情緒や言葉の発達も著しい大切な時期です。愛情を注ぎ、しっかり向き合うことで信頼関係を築く育て方をしましょう。

まとめ

両親と子ども

1歳児は自発的に周囲の人や環境に興味や関心を示します。身近な大人とのコミュニケーションを経て、言葉や周囲との関わり方を学んでいきますので、しっかりと向き合って育てることが重要です。発達には個人差がありますが、愛情を惜しまず、共感しながらやり取りを重ねることで信頼関係が築けます。

そして他者を意識し始める段階において、欲求が伝わらないことでかんしゃくや噛みつきなどを起こすことはありますが、まずは共感が大切です。そのうえで、欲求を解消する、相手の痛みを教えるという段階を踏みましょう。

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス
現在、都内22の認可保育園と認定こども園を運営する「社会福祉法人東京児童協会」と、企業主導型保育園や学童保育の運営、海外への保育事業を展開する「株式会社ONE ROOF」が主体となり、新しい子育て社会を実現していくネットワークです。