基本的な身体能力が備わった2歳児。遊びを通じて2歳児の指先の機能や運動機能はさらに発達します。また、探索の範囲はますます広がって、ものごとへの興味関心も旺盛になります。そこで今回は2歳児におすすめの遊びとその効果をご紹介します!
2歳児の特徴と遊び
1歳児と同じように2歳児も遊びながら身体や心を発達させることが重要です。
「歩く」「つかむ」など、基本的な身体能力は備わっていますが、身の回りのことを自分でする、ルールを守りながら他の子どもと仲良くする、といったことには経験が必要です。
生活に必要な動作は意外と複雑で根気がいります。またルールや秩序をはじめとして、人と上手く付き合う社会性などを言葉で伝えるというのは難しいものです。
こうした内容を楽しく、意欲的に学ぶ方法として遊びがとても大切です。
それでは具体的に2歳児はどのような遊びをするとよいのでしょうか。室内と屋外に分けて、遊びとその効果を詳しく見てみましょう。
遊びと効果(室内)
まずは主に室内でおこなわれる遊びとその効果について紹介します。室内は行動できる範囲が比較的限定されているため、落ち着いてじっくりと取り組む遊びができるでしょう。いくつかの室内遊びについて例をあげて説明します。
指先遊びは、発達用語でいうところの「手と目の協応」、つまり目で見たものを指で動かす発達に欠かせません。
1歳児から経験したい遊びとして紹介をしていますが、2歳児はさらに高度なレベルに挑戦してみてください。例えば、日常生活にも応用できる「ぼたんはめ」はボタン穴にボタンをはめる遊びです。
目で見ている穴に、実際にボタンを通すという動作が「手と目の協応」の発達に役立ちます。他に、穴にひもを通す、マジックテープをつまんでつける、シールをはがして貼るといった遊びがあります。
ごっこ遊びは、おままごとやお医者さんごっこなど、子どもが日常で経験したことを模倣するような遊びです。複数で遊ぶ場合にはコミュニケーションを必要とするため、言語能力の向上に役立ちます。また、役割分担により社会性を身につける機会にもなるでしょう。
構成遊びは細かいパーツを並べたり組み立てたりして、意味のあるひとつの形をつくり出す遊びです。例としてはブロックや積み木、レールをはめ合わせて列車を走らせるレールトレインなどを使った遊びが挙げられます。
子どもは構成遊びをすることで、自分の工夫でモノを組み合わせて形にすることを学びます。想像する力も身についていきますよ。
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このように室内遊びでは身体の部分を使った細やかな動作や、集中して取り組みたい遊びに適しています。それでは室外で注目したい2歳児の遊びとはどのようなものがあるでしょうか。
遊びと効果(室外)
じっくりと腰を落ち着けて取り組む遊びの多い室内と比較して、思い切り手足を伸ばせる室外ではどのような遊びができるのでしょうか。室外の遊びと効果について紹介します。
室外での全身を使う遊びにはさまざまありますが、いずれも筋力を発達させるのに有効です。例えば、滑り台、ネット、ロッククライミングなどでは手足を使ってよじ登ることにより筋力がつきます。
四肢の筋肉がつくと、安定した歩行につながります。また、こうした遊びはひとつの遊具を複数の子どもで共有することになりますから、使用する順番を守るなどの規則を学ぶ場にもなります。
ダンスなどの大きな動きを伴う遊びも屋外で行うのに適しています。音楽に合わせて一定の動きをする遊びでは、同じ動作を繰り返すことで記憶とそれを再現する力を伸ばすことができるでしょう。
一方、リズムやメロディーに合わせて自由に体を動かす遊びは表現力を育みます。
自然に触れる遊びは屋外ならでは。植物や昆虫に触れる機会を通じて、自然への興味関心は増すものです。子どもはよく反応しますので、同行する大人にもたくさんの質問が投げかけられます。
やり取りを通じて新しい言葉を覚え興味を深めていきますので、親切に答えてあげるようにしましょう。また水遊びなどは、楽しい経験の一方で、自然の危険も身をもって学ぶチャンスです。
自然は過度に恐れる必要はないものの、上手に付き合っていく必要があるということを体験しておくと、将来的に自ら安全に配慮した遊び方ができるようになっていくでしょう。
このように屋外の遊びは、2歳児が自然に触れ、体力をつけるために必要不可欠です。天候などにも左右されますから、子どもが遊ぶのに適した気候の日には積極的に外で遊ぶとよいでしょう。それでは2歳児の遊びで保護者が注意すべき点とは何でしょうか。
保護者の配慮
2歳児は全身のコントロールがきくようになって、興味や関心のあることへ自ら向かっていく機会が増えていきます。この時期には、大人は子どもの安全に配慮して、楽しく遊ぶサポートをすることが重要です。
まず遊ぶ環境に十分に配慮しましょう。2歳児は周囲の危険な状況を察知するための十分な経験をまた積んでいません。遊びたい気持ちは尊重しつつも、屋外は公園など、十分に安全が確保できる場所で目を離さないようにしましょう。
また2歳児は自我が目覚めており、自己主張も強くなる時期です。集団で遊ぶ機会が増えてくると、喧嘩になることもあります。譲り合いや協調といった経験が足りないためにおこることですので、まずは何がしたかったのかということを受け止めましょう。
その上で仲良く過ごすための方法を教えてあげると、他の子どもと上手に付き合えるようになるでしょう。
まとめ
2歳児の遊びは興味関心を育むと同時に、学びの場でもあります。日常生活で身につけたい動作などは遊びとして取り入れてみましょう。経験をつめば身の周りのことが自らできるようになっていきます。
また集団で遊ぶ機会が増えていくと、守らなければならないルールや秩序に直面するので社会性も身につけられるものです。屋内、屋外の遊びをバランスよく取り入れて、子どもの能力を伸ばしていきましょう。