保育体制強化事業の概要から内容まで徹底解説

保育士の業務は子どもに直接子どもとかかわる保育だけではありません。給食の準備や園の環境整備など、子どもと関わらない仕事も多くあります。

この記事では保育士体制強化事業ではどのようなサポートが可能なのかという点から保育支援者に必要となる資格について徹底解説します。

保育士体制強化事業等の概要

保育士体制強化事業等は保育支援者が保育士の周辺業務を行うことで、保育士の業務負担軽減をはかる制度です。

保育士の仕事は直接子どもと関わる保育だけでなく、園内の環境整備や給食の準備などやらなければならないことが多くあります。

環境整備や給食の準備片付け業務は良質の保育を支えるために必要である一方で、保育士多忙化の要因の一つとなっています。

保育士にとって働きやすい環境をつくることは、業務のパフォーマンスを向上させるとともに離職防止にも効果があるでしょう。

具体的には、以下のサポートが保育士体制強化事業で可能です。

直接子どもと関わらないサポート

1つめは、直接子どもと関わらない業務サポートです。

例えば、教室などの清掃業務や遊具の消毒、給食の配膳、寝具の用意・片付けなどが子どもに直接関わらない業務の代表例になります。

そのため、保育士体制強化事業では、保育士の補助ができる保育補助者を雇用できるようサポートし、少しでも保育士の業務負担を軽減することが可能です。

外国人保護者とのやりとりをサポート

2つめは、外国人保護者とのやりとりのサポートです。

昔と比べて今では、全国的に保護者が外国人である家庭も増えてきています。

さらに外国人の保護者が全員日本語を流暢に話せるわけではないため、保護者対応をおこなう保育士にも言語スキルが求められてしまいます。

そこで、保育士体制強化事業を活用し、外国語でのコミュニケーションができる保育支援者を新たに雇用することもできます。

このように保護者対応という部分でも保育士体制強化事業は、効果的に活用することが可能です。

園外活動時の見守りサポート

3つめは、園外活動時の見守りサポートです。

保育園の活動では、遠足をはじめ保育園外に出て活動することもあります。

園外という普段とは異なる環境に子どもたちを連れていくため、さまざまな事故の可能性を想定した活動計画が欠かせません。

とくに園外での事故は、園内に比べて対応に遅れる可能性も十分あることから、保育士体制強化事業で見守りサポータースタッフを臨時雇用することもできるのです。

保育支援者は保育資格を持たない者

保育士体制強化事業での保育支援者は、主に子どもと関わらない部分での業務が中心となるため保育資格を取得していないことが条件になります。

そのうえで、上で挙げた保育士の負担軽減をする仕事をおこなうことを前提し、計画を立て保育支援者を配置することが必要です。

保育士体制強化事業の月額

保育支援者の雇用には、1つの保育所で月額10万円が国や市区町村から補助され、園外活動時の見守り等に取り組む場合には月額14万5000円補助されます。

ただし支給条件として、保育支援者には市区町村の認めた交通安全に関する講習会に参加することが定められています。

引用:保育所等における ICT化推進等事業

保育士体制強化事業の補助割合

保育士体制強化事業は、 国や市区町村から保育士の負担軽減を目的に導入された事業です。

設置された保育所によって補助の割合は異なります。補助割合は以下のとおりです。

都道府県 市区町村
市区町村の保育所 1/2 1/4 1/4
政令指定都市の保育所 1/2 - 1/2

まとめ

保育以外でも保育士のおこなう仕事はとても多くあります。

保育所運営として、保育士の業務を効率化させ、子どもと向き合う時間を増やすことが地域の保育向上につながっていくでしょう。

業務改善は保育士の離職防止にもつながる効果があるため、今回解説した制度を活用しつつ計画的に改善していくことが大切です。

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス
現在、都内22の認可保育園と認定こども園を運営する「社会福祉法人東京児童協会」と、企業主導型保育園や学童保育の運営、海外への保育事業を展開する「株式会社ONE ROOF」が主体となり、新しい子育て社会を実現していくネットワークです。