保育士の転職先ランキング5選!転職を考えるときの注意点も詳しく解説

今は、昔と比べて転職エージェントなども増えてきており、転職がしやすい環境になりつつあります。とくにこれからキャリアアップをしたい方や今よりももっと収入を上げたい方、仕事の環境を変えたい方にとって転職という選択肢は、かなり重要になってくるでしょう。
この記事では保育士の主な退職理由から実際に転職した先がどのような職業なのかをランキング形式で紹介します。

保育士における退職理由の3割は転職

一言で「退職」というと、結婚や出産、引っ越しなど様々な理由で退職するイメージですが、実際に厚生労働省が発表しているデータによると、保育士の約3割は「転職」が退職理由になっています。

以下は、厚生労働省が公表している保育士の退職理由の資料です。

保育士の退職理由

引用:保育士の現状と主な取組について

その中でも保育士の転職先に多いのが他の保育園への転職です。もともと保育園に勤務していたという強みがあり、他園への転職が一番スムーズに進みやすいためです。

現在では、保育業界でも多様化が進み、さまざまなニーズに対応できる保育園がつくられています。そのような新たな保育園では、チャレンジ精神を持った保育士を必要としているのも事実です。

保育士の転職先ランキング

保育士の転職先ランキング

保育士の退職理由として「他の保育業界に転職する」ことが全体の3割近くあることが分かったかと思います。保育士にとって「保育」というスキル経験は、別の保育園に転職する場合でも優位になります。

では実際に保育士の転職先としてどのようなものがあるのでしょう?
以下では、保育士の方が転職しやすい転職先をランキング形式で紹介していきます。

1位:別の保育園

保育士の転職先第1位は「別の保育園」です。

厚生労働省が発表している離職を含まない保育士の転職先は以下のとおりになっています。
【離職を含まない保育士の転職先】

他の保育業界 53.1%
他の業界 30.0%
他の福祉業界 16.9%

引用:保育士の現状と主な取組について

上記の表から分かるように、53.1%という半数以上が同じ保育業界へ転職し、残りの4割は他業界もしくは福祉業界へと転職しています。

保育士の仕事として保育園で勤務していくなかで、職場の雰囲気・人間関係・給与など色々な要因によってストレスを感じる保育士さんも多いです。

その一方で、「子どもが大好き」という気持ちで保育士になったことを考え、仕事を変えるとしても「保育園で働きたい」と思う人は多く、別の保育園へ転職する方が多いと言えます。

現在では、病院内保育所・企業内保育所・公立保育園・認定こども園・私立保育園・地域型保育園など様々な形態があり、保育園ごとに保育に対する考え方は幅広いです。

そのため、自身に適した環境に身を置くことも長く保育士として勤務するために必要なことでしょう。

2位:ベビーシッター

保育士の転職先第2位は「ベビーシッター」です。

ベビーシッターは、契約した方の自宅で1〜2人の子どもの保育をおこないます。契約者によってサービス内容は異なりますが、習い事の送迎・学習のサポートから家事代行まで仕事内容はさまざまです。

現在のベビーシッターは時間単位での利用が主流であり、必要な時間にベビーシッターと契約をするという使い方が増えてきました。利用料金も昔に比べて抑えられ、利用者が増えているサービスのひとつです。

保育士資格を持っている保育士であれば専門スキルを持っているとみなされ、時給1500円以上の仕事も多々あります。

さらに昨今の「待機児童問題」を踏まえ、ベビーシッターに子育て支援としての補助金を出す自治体が増え、ベビーシッター事業会社も拡大傾向にあることから徐々に待遇も良くなっていく可能性が高いです。

ベビーシッターの仕事は基本的には1人でおこなう仕事が多いため、人間関係にストレスを感じることはほとんどありません。

3位:習い事の講師

保育士の転職先第3位は「習い事の講師」です。

最近では、子どもの習い事は多岐にわたっており、美術教室・スポーツ教室ダンス・英会話など多くの種類があります。これらの仕事では、ただ習い事のスキルだけでなく児童心理学など子どもと上手に関わったり、子どもの心を理解することが求められます。

とくにピアノが弾ける保育士さんであれば、ピアノの講師への転職も選択肢に入れることができるでしょう。

習い事の講師には、前提として子どもと上手にコミュニケーションすることが求められるため、保育士の経験が高く評価される傾向があります。「習い事の講師」は保育士の転職先として有力になるでしょう。

4位:学童スタッフ

保育士の転職先第4位は「学童スタッフ」です。

学童スタッフは、学校が終わった両親が働いている小学生を一時的に預かる仕事です。学童スタッフの仕事の特徴として、小学校終了後の子どもを預かるため、保育園のような早朝勤務などはありません。

学童スタッフの主な仕事内容は以下のとおりです。

  • 子どもと遊ぶ
  • 宿題の見守り
  • おやつの提供
  • 活動の様子を保護者へ連絡

学童保育でも教育の質向上という観点から2015年から「放課後児童指導支援員」という資格が設けられています。資格がない方でも学童スタッフとして働くことは可能ですが、正規スタッフとして働くのであれば「放課後児童支援員」の資格を取得することをおすすめします

とくに放課後児童支援員という資格は、受験資格の項目に「保育士資格」があるため、もともと保育士として勤務していた方は取得しやすく、転職しやすい職業と言えるでしょう。

5位:塾講師

保育士の転職先第5位は「塾講師」です。

塾講師は教員免許が必要ないことから求人の数も多く、保育士からでも十分転職可能な業種です。

とくに小学生を多く受け入れている学習塾の場合、子どもの心理状態や信頼関係を構築するスキルを求めています。そのため、保育士として勤務していた経験はかなりアピールポイントになるでしょう。

近年の塾業界の傾向として個別授業や少人数クラスを取り入れた学習塾が増えています。子どもが好きで保育士になったけれど、諸事情で転職を考えているという保育士の方であれば、子どもと深く関わりあい、その成長を見届けられるのも、塾講師として働く魅力です。

保育士から転職するときの注意点3つ

子どもと関わることが好きな人にとって保育士は魅力的な仕事です。しかし、実際には子どもとの関わりだけではなく、保育園内の人間関係や保育に対する考え方の違いなど、保育園の中で様々な葛藤が生じてくることもあるでしょう。

このような葛藤を感じているのであれば、転職して、新たに気持ちをリフレッシュするのも良いでしょう。

ただし、転職する準備をせず急いで転職を進めようとすると、なかなかうまくいかなかったり、勤務先に迷惑がかかってしまったりする可能性もあります。

以下では、実際に転職活動をおこなうときの注意点を3つ解説します。

転職する動機や目的を明確にする

保育士から転職をする場合には、転職の動機や目的を明確にすることが大切です。

人生のライフステージでは、その時々において大切にすることが異なってきます。例えば、結婚からの出産や子育て、介護などです。

転職を目指す上で、「今」自分が何を優先的に考え、これまでの経験を活かしてどのようなことができるのかを明確にしておく必要があります。

したがって、5年10年先の自分の生き方を計画し、そこに向けて進めるような転職活動を準備するように努めていくことが大切です。

企業や求人など転職に必要な情報を収集する

保育士から転職をする場合には、企業や求人など転職に必要な情報をできるだけ多く収集するようにしましょう。

なぜなら、業務内容をはじめとする企業の情報をしっかりと収集しておかないと、せっかく転職できても「思っていた環境と違っていた」というケースも多々あります。

そのため、よりよい環境で仕事ができるよう転職先の情報は可能な限り収集するのがおすすめです。また、現在では転職エージェントなど、転職に必要な情報を提供してくれるサービスも充実しています。

なかなか転職先の情報が手に入らない場合は、転職エージェントなどの専門家に依頼するのも一つの選択肢です。

十分な引き継ぎを行う

保育士から転職をするときは、転職後も業務をスムーズに進められるよう十分な引き継ぎをおこなうのがマナーです。

当然ながら転職後は、後任の保育士がこれまで担当していた子どもたちの世話をすることになるため、子どもの情報やこれまでの業務内容などを細かく引き継ぐ必要があるでしょう。

転職先が決まり退職日の目安ができたのであれば、引き継ぎ書類を作成し、自分が抜けても、円滑に業務をおこなうことができるような準備を整えることが大切です。

まとめ

今回は、保育士さんの転職先をランキング形式で解説しました。長く保育士として勤務するにも他業界で勤務するにも職場の環境は、とても重要な要素です。

子どもが好きで保育士になった方でも「好き」だけで仕事を続けるのは、なかなか難しいでしょう。

今は昔と比べて転職しやすいサービスや環境になりつつあるため、職場環境の見直しやキャリアアップを図りたい方は転職を検討しやすくなっています。

今後、転職を検討しようかと考えている方は、ぜひ本記事で紹介した転職先や転職をおこなう際の注意点を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス
現在、都内22の認可保育園と認定こども園を運営する「社会福祉法人東京児童協会」と、企業主導型保育園や学童保育の運営、海外への保育事業を展開する「株式会社ONE ROOF」が主体となり、新しい子育て社会を実現していくネットワークです。