身体を使った遊びアイデア14選!保育のポイントや注意点も解説

子どもの発育や発達を促すために、「身体を使った遊びを取り入れたい」と考えている保育者の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、保育におすすめの身体を使った遊び15選を紹介します。

保育アイデアはたくさんあるため、子どもの発育や発達の特徴に合わせて選ぶことが大切です。乳児期や幼児期の子どもの発達の特徴や遊びのねらい、遊びを導入する際のポイントも併せて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

子どもの発育・発達の特徴は?

身体を使った遊びを取り入れる際は、自身のクラスの子どもたちの様子に合わせて遊びを展開しましょう。ここではまず、子どもの発達・発育の特徴を紹介します。

乳児期の子どもの発達

乳児期は特に身体面の発達が著しいのが特徴です。0歳では首や腰が据わり、ハイハイやつかまり立ちができるようになります。また、1歳ごろになるとあるき始め、2歳になれば走ったりジャンプをしたりする姿も見られます。

2歳頃になると簡単な言葉も話せるようになり、単語を繋いで「ブーブ(車)バイバイ」「わんわん(犬)いる」といった2語文も習得します。

幼児期の子どもの発達

3〜5歳の幼児期になると、段々と繊細な動きができるようになるのが特徴です。

3歳児は、体のバランス感覚が身につき、片足跳びやけんけんなどもできるようになります。また、手や指先もスムーズに動かせるようになり、ボタンを通したりひもを結んだりといった細かい作業も自分で取り組む姿が見られます。

4〜5歳児は、大人と同じように身体をなめらかに動かせるようになる時期です。

スキップや2つの動作を同時に行うといった複雑さのある動きも難なくこなせるようになります。

さらに協調性や社会性も培われるため、友達と協力して楽しめる遊びや競争できるゲームなども好むようになります。

身体を使った遊びのねらい

身体を使った遊びを取り入れる際は、保育のねらいを定めましょう。ねらいの一例は以下の通りです。

  • 向上心や好奇心を高める
  • 身体を動かすことの楽しさを味わう
  • 体を動かすことで、心身の発達を促す
  • 協調性や社会性を育む
  • 達成感や自己肯定感を高める
  • 忍耐力や集中力を養う

上記のように、さまざまなねらいが考えられます。

身体を使った遊びによって得られる効果を高めるためには、担当するクラスの子どもの年齢や発達の状況に合わせて、適切なねらいを定めることが大切です。

乳児期におすすめの身体を使った遊び7選

乳児期におすすめの身体を使った遊び7選

乳児期におすすめの身体を使った遊びを7つ紹介します。

ぽっとん落とし

ぽっとん落としは物を穴から「ぽっとん」と落とす遊びです。

指先のトレーニングに役立ちます。また、指先を使用することで脳が活性化され、考える力も育まれます。ぽっとん落としは市販のものもありますが、自分でも簡単に作成できます。

【遊び方】

  • タッパーのフタを丸や縦長の形にくり抜き穴を開ける
  • 切り口にマスキングテープを貼る
  • ペットボトルのキャップや段ボールなど落とすものを用意する
  • 落とすものの形状に合わせて穴の形を選び、穴から落とし入れる

ハイハイ鬼ごっこ

ハイハイ鬼ごっこ

ハイハイができるようになった時期におすすめの遊びです。

厳密なルールはないため、子どもたちの様子に合わせてアレンジしましょう。ここでは、基本的な遊び方を紹介します。

【遊び方】

  • 子どもがハイハイしながら逃げる
  • 保育者が「待て待て」と言いながらハイハイで追いかける
  • 捕まえた場合は、くすぐったりハグをしたりしてスキンシップを楽しむ

コロコロドッジボール

ボール遊びができるようになる2歳〜3歳ごろに適した遊びです。

ボールを投げる必要がないため、身体の発達が未熟な乳児期でも導入できます。基本の遊び方にはルールがありますが、難易度は自由に変更可能です。

単にボールを転がして遊ぶだけでも運動になります。

【遊び方】

  • 子どもが全員入れるくらいの大きさの円を描く
  • 子どもは円の中に入り、保育者は円の外で外野になる
  • 笛の合図で保育者がボールを転がし、子どもに優しく当てる
  • 子どもはボールが当たらないように逃げる
  • ボールに当たった子どもは外野になり、円の中にいる子に向けてボールを転がす
  • 中にいる子を当てられたら、内野に戻る
  • 最後に内野として残っている人の勝ち

トンネルくぐり

さまざまなものでトンネルを作り、くぐって楽しむ遊びです。

保育者がトンネルになったり段ボールでトンネルを作ったりと、アレンジの方法は複数あります。身体を大きく動かすため、身体能力の向上を促すことができます。

【遊び方】

  • 段ボールでトンネルを作る
  • 子どもたちは、ハイハイでとんねるをくぐる
  • うさぎ跳び、かにさん歩きなど、動きをアレンジして繰り返し楽しむ

おしくらまんじゅう

おしくらまんじゅうは、日本の伝承遊びです。身体を動かすだけでなく、友達や保育者とコミュニケーションを取って遊ぶことができます。協調性やコミュニケーション能力の向上にも役立つでしょう。

【遊び方】

  • 子どもたちが全員入れるくらいの大きさの円を描く
  • 円の中に入り、背中を合わせてくっつく
  • 「おしくらまんじゅう 押されて泣くな」の歌詞に合わせて、背中やお尻で押し合う
  • 円から出てしまった人は外に出て、友達の応援をする
  • 最後まで円の中に残った人の勝ち

輪投げ

輪投げは、的に輪を投げ得点を競う遊びです。輪投げも自分で作ることができるため、製作遊びから始めるとより楽しみを実感できます。

【遊び方】

  • 新聞紙を丸めて輪を作りガムテープで留める
  • ペットボトルに水を入れ、的を作る
  • マーカーで的に点数を記載する
  • 的をねらい、輪を投げる
  • 高得点の的に輪を入れられた人の勝ち

サーキット

サーキットは、遊具や道具を使い園庭や遊戯室を運動しながら回る遊びです。

身体のさまざまな部位を動かすことができます。また、用意する道具や遊具の種類を変更すれば、幅広い年齢に対応可能です。

【遊び方】

  • 園庭や遊戯室のあちこちに、遊具や道具を用意する
    ※例:マットやボール、フラフープ、新聞紙のプールなど
  • 1ヵ所ずつ運動遊びをながら周遊する

幼児期におすすめの身体を使った遊び7選

幼児期におすすめの身体を使った遊び7選

幼児期になると、大人と同じように身体を動かすことができるようになります。動きがなめらかになりできることも増えるため、身体全体を思いきり動かせる遊びが最適です。

また、社会性も身につくため、ルールのある遊びにもチャレンジできます。幼児期におすすめの身体を使った遊び7選を紹介するので、参考にしてみてください。

風船リレー

風船リレーは、2人1組になって風船を運ぶゲームです。

チーム対抗戦なので、協調性も育まれます。お腹で挟んだり、道具を使って挟んだりとさまざまな方法にアレンジ可能です。徐々に難易度を上げていくと盛り上がります。

【遊び方】

  • クラスを2~4チーム程度に分ける
  • 風船をチーム分用意する
  • スタートと折り返し地点を決める
  • 2人1組になり1列に並ぶ
  • 2人で協力して風船を運び、次の2人組に渡す
  • 最初に全員がゴールしたチームの勝ち

震源地ゲーム

真似し合いながら身体を動かして楽しむゲームです。

道具を用意する必要がなく、いつでもどこでも気軽にできます。鬼にバレるのではないかというスリルや、協力することの大切さも味わうことができます。

【遊び方】

  • 鬼を1人決める
  • 鬼以外の子どもの中で、震源地になる子を1人決める
  • 子どもたちは輪を作って内側を向く
  • 鬼は輪の中心に立ち、全体を観察する
  • 笛の合図で、震源地の子が身体を動かす
  • 震源地の子が鬼にバレないよう、震源地以外の子も即座に同じ動きをする
  • 鬼は震源地の子を推理する
  • 鬼にバレたら震源地の子が鬼になる

手押し相撲

手で相手を押したり引いたりしながら相撲をとる遊びです。

身体全体のバランスを取る力を育むことができます。友達と2人1組で行うため、コミュニケーションの活性化を目指す際にも便利です。進級時のレクリエーションにも適しています。

【遊び方】

  • 2人1組になって向かい合う
  • 足をそろえて立つ
  • 笛の合図で、手を合わせて押したり引いたりしながら相撲を取る
  • バランスを崩した方の負け

カードめくり

チーム対抗でより多くのカードをめくるために競い合うゲームです。

最後まで勝敗が読めないため、ハラハラ・ドキドキとした楽しさを味わうことができます。屋外だけでなく室内でも遊べるため、雨の日の運動遊びにもピッタリです。

【遊び方】

  • 段ボールを子どもの人数分用意し、表と裏に異なる2色の画用紙を貼る
  • クラスを2チームに分ける
  • カード半分に分けて、各チームの色が上にくるようにランダムに並べる
  • 一度カードから離れて、一列に並ぶ
  • 笛の合図でカードを自分のチームの色にめくりあう
  • 笛の合図で元の位置に戻る
  • より多くカードを自分のチームの色にできたチームの勝ち

しっぽ取り

ズボンに挟んだしっぽを取られないよう気を付けながら、友達のしっぽを取りに行く遊びです。敵がたくさんいるため、気がぬけません。集中力や忍耐力、判断力を養うことができます。

【遊び方】

  • 新聞紙やリボンなどの端をズボンにしまいしっぽを作る
  • 逃げられる範囲を決める
  • 笛の合図で陣地内を自由に走りながら友達のしっぽを取る
  • 自分のしっぽが取られたら外に出る
  • 最後残った人の中で、より多くのしっぽを取った人の勝ち

まる・さんかく・しかく鬼

丸・三角・四角の陣地を使い、鬼ごっこをする遊びです。

通常の鬼ごっこよりもルールが難しいため、年長児に適しています。みんなでできるよう、大きめに陣地を描くのがポイントです。

【遊び方】

  • 丸・三角・四角の陣地を描く
  • 鬼を1人決める
  • 鬼が「まる」などと陣地の形を指定する
  • 鬼が指定した陣地に逃げ込む
  • 鬼は、陣地の外にいる子をタッチする
  • 鬼にタッチされた人は鬼と交代する
  • 最後のタイミングで鬼になった人の負け

ドッジボール

ドッジボールは、身体を使った遊びの中でも特に人気の高い遊びです。

ボールを投げるだけでなく、「受け取る」「逃げる」「追いかける」といったさまざまな動作が必要となります。ルールも細かく決まっているため、社会性を培いたいときにもおすすめです。

【遊び方】

  • クラスを2チームに分ける
  • 地面にコートを描く
  • 外野を3人とジャンプボールを1人決める
  • それぞれの位置にスタンバイする
  • 笛の合図でジャンプボールをする
  • ボールを投げ合い内野を減らす
  • 当たった子は外野になり、中の人に当てた外野は内野に戻る
  • 時間になった際の笛の合図でボールをとめる
  • 内野の人数が多いチームの勝ち

身体を使った遊びを導入する際のポイント

身体を使った遊びを保育に取り入れる際は、いくつか押さえておきたいポイントがあります。遊びを行う環境をしっかりと整え、最後まで楽しく遊べるよう配慮しましょう。

準備体操をしっかりと行う

身体を使った遊びを行う際は、準備運動をしましょう。特に冬場は、いきなり身体を動かすと筋肉や内臓に負担をかける恐れがあります。また、しっかりと温まった身体の方が筋肉の動きが良くなります。

準備体操の内容は簡単なものでも構いません。屈伸したりジャンプしたり、腕を伸ばしたりとできる範囲で行いましょう。

水分補給や休憩の時間を設ける

水分補給や休憩も欠かさず取り入れる必要があります。運動遊びでは身体を思いきり動かすため、思っている以上に体力を消耗します。

夏場は特に外気の熱さでも体力を奪われるため、小まめな水分補給が必要です。また、園庭で遊ぶ際はテントなどで木陰を用意し休憩するようにしましょう。

広い空間を用意する

身体を使った遊びを展開する際は、できるだけ広い空間を用意しましょう。狭い空間で行うと、友達とぶつかったり怪我をしたりするリスクが高まります。

また、「押した」「叩かれた」などのトラブルに発展する可能性も考えられます。園庭や遊戯室を使用するか、保育室で行う場合はテーブルや椅子などをしっかりと片付けましょう。

運動が苦手な子も楽しめる配慮を

運動に苦手意識を持つ子も少なくありません。そういった場合には無理やり参加させてしまうと、「やりたくない」「楽しくない」という気持ちが強くなる可能性があります。

できるだけ自発的に参加できるよう、「楽しそう」と思えるような援助を行うことが大切です。楽しい声かけを心がける、遊びに関する内容の絵本を読み導入するなどして、自発的な活動を促しましょう。

まとめ

身体を使った遊びは、心身の発達に良い影響をもたらします。ただし、年齢により発達に差があるため、自身のクラスの子どもたちの様子に合わせてルールや難易度をアレンジすることが大切です。

乳児期におすすめの遊び7選、幼児期におすすめの遊び7選を紹介した今回の記事も、ぜひ参考にしてみてください。新しいアイデアを取り入れ、保育を盛り上げましょう。

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス

ONE ROOF ALLIANCE ワンルーフアライアンス
現在、都内22の認可保育園と認定こども園を運営する「社会福祉法人東京児童協会」と、企業主導型保育園や学童保育の運営、海外への保育事業を展開する「株式会社ONE ROOF」が主体となり、新しい子育て社会を実現していくネットワークです。